分離派の夏 / 小袋成形(2018)- ciwum
夏なのに、テンションが上がる瞬間が 1mmも訪れないアルバム。小袋成彬本人が「とりとめのない作品」という通り、ただただ彼の私的な体験と思いを詰め込んだ、捉えどころのない音楽の集合体であ る。にもかかわらず、一聴すると、その言葉と、リズム、旋律から、耳を離せなくなってしまう。かつて世界の「分離派」であったはずの彼が、視座と自己認識を変えることによって得た世界の広がり。このアルバムを、シャッフル せずに、最後まで聴き通すと、その一端を垣間見ながら、自らの世界を広げることに繋がるかもしれない。
コラム筆者・ciwum
ウーロンハイからアイラモルト経由で薬草酒まで、ありとあらゆるお酒を愛するへべれけおじさん。いよいよ2020年に不惑を迎えるにあたって、今のうちに惑っておかなければと、信じられないくらい迷い、戸惑う日々。
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