日常に潜む「面白い」を見つける 第2回 - イタリーさとう

市内のとある川沿いのゴミ捨て場。ちりとりや箒と並び鳥居がかけられていた。「トイレの神様」という曲が流行ったが、ここにはゴミの神様でもいるのだろうか。ずいぶんと簡易的な神社だ。

撮りながら薄々感づいてはいたが、この神社は信仰の対象ではないだろう。恐らくは「人間避け」としての役割を担っている。猫避けのための水が入ったペットボトルのようなものだ。この鳥居があるだけで人は「神様がいる、見ている」という意識を持つ。それを逆手にとってゴミ捨て場でいたずらされないように設置されているのだ。迷惑行為に悩む管理人の想いが伺える。

日常に潜む違和感のある光景。「面白い」ものには人間の想いや痕跡が写っている。いたずらされたくない場所に建てられた路上神社は、この場所以外にも見つけた。あなたの住む街にも隠れているかもしれない。悩んでいる管理人の想いとともに。


コラム筆者・イタリーさとう

仙台市生まれ。会社員兼ファトグラファー。お笑いの舞台に1度だけ立ったときの芸名を名乗り続けている幽霊芸人。地元宮城の魅力を言葉と写真で伝える。

Instagram:@italy_sato 

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余談Lab

宮城・東北(少しその他)にいる「おもしろい人」たちにフォーカスした、フリーペーパー「余談Lab」。ここは、その余談Labのウェブ版。フリーペーパーという限られたスペースで語りつくせなかった余談を掲載。