温泉と瞑想 - 東大温泉サークルOKR(おける)
温泉は、五感を働かせる数少ない場所だ。例えば、露天風呂で湯煙の中から雲を眺める。静かに注がれる湯と、側の渓流の音が調和して聞こえる。硫黄の匂いが鼻をつき、湯を口に含めば舌に酸味が残る。そして湯の熱さや刺激を肌で直接感じる。温泉に入ると、普段絶えず聴こえてくる雑音が閉ざされ、自己の身体感覚へ意識が向く。こう考えると、温泉は瞑想に似ている。心に溢れる余計な思考を、呼吸や身体感覚に注目することで抑えるのが瞑想である。温泉なら意図せずとも五感に注意が向き、心の静寂が得られる。ストレスの砂嵐が舞う現代という砂漠では、数少ないオアシスを求めて温泉に辿り着く。
コラム筆者・東大温泉サークル OKR(おける)
温泉好きが集まる「温泉と真剣に向き合うサークル」です。大崎市の東鳴子温泉と連携して、新しい温泉旅を提案中。「鳴子ワカモノ湯治」を体験できる学生限定ツアーは、参加者募集中です。
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