手触りと音だけで - 木村シロー
工芸品の仕事をしているとよく聞かれるのですが、「はい、私も作ってます」。
具体的には、漆器の下地を研いでいます。
多くの場合、水でふやかした紙やすりで、塗面の凸凹やゴミぷつを除き、平らにしていきます。
ところで、研ぐと音が聞こえます。
時には小気味好く「シュッシュ」と。または、瞑想的な持続音が「スーっ」と。繰り返し作業をしていると、目をつぶっても、手触りと音だけで仕上げることもできます。
コラム筆者・木村シロー
屋号は上杉商事。伝統に根ざす革新的なものづくりと、音楽による街づくりのプロデューサー。興味の対象は、不正義を取り除く経済学、良い音楽とMMA。
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