道具のはなし - 庭師 藤野 芳徳
斧は昔よく使われた道具で、生きた木を伐るのも、切った後荒削りするのも、割るのもみんな斧が使われていたようです。古い道具を見ると、斧の刃のところに筋が刻まれていて 機能的な目的だとおもっていたのですが、宮大工の西岡常一さんによると、片側に三本入った筋は ミキ といい
御神酒 を表しており 四本の筋は 四大要素の地水火水 四方山よもやまの珍味を表しているそうです。こうした刻みを入れた斧を、木を伐るまえに その木にもたせかけて
これからとらせていただきます。ありがとうございますと自然と木に感謝をしてから伐ったようです。本来ならお酒や五穀をお供えするところでしょうが 山の奥でのことなので、感謝のその気持ちを斧に刻み そのかわりとしたのでしょう。先人の自然に対する心にふれ、 道具一つからでも学びがありました。
コラム筆者・庭師 藤野 芳徳
庭や。 昔の知恵や暮らしから学び
自分の身近のそこらにある自然物の有効利用につなげていければと考えております。
古今東西問わず 良い感覚と知恵に出会いたいものです。
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