扇の的 - 東北空手道場
僕は「コスパが良い」という言葉が、あまり好きではありません。無駄なモノが無い事が良いとされてますが、そうでしょうか？源平合戦を主題にしてる「平家物語」の中に「扇の的」という話が出てきます。「コスパ」で考えれば、戦争ですから源氏と平氏のどっちが勝ったか？、誰が死んでしまったか？位が重要であって、この話はいりません。でも、そういった事に関係の無いこの話が入ると、話の味わいが深くなってより素晴らしくなります。「ウィンドウショッピングで時間を潰す」、「とりあえず友達の家に行ってみる」なんてコスパから考えれば、無駄な事ばかり。明確な目的も確実な結果もありませんから。でも、これらは必要ですよね。無駄は余裕がある時に生まれ易いです。物理的な余裕が制限されてる今、心の余裕を少しでも良いから持ちたいです。知り合いの方から「笑ってる？」とメールをいただきました。まずは一日一回、心から笑える位の余裕で良いから持てるようにしたいです。それ位の余裕ができたら、一生懸命働いている病院や保険所の人達や、病で苦しんでいる人達の気持ちを受け止めて考えて、接する事ができると思います。そういえば、「扇の的」、知ってますよね？知らない人は時間に余裕がある時に、「平家物語」を読んで下さい。それも現代語訳されてない古文で。無駄とは思わずに。
コラム筆者・東北空手道場 松本隼也
「勇は優から」「自分を信じる」「やりきる」。この３つの道場訓にしています。なにもないひとりの「人間」として稽古する。シンプルですが、究極のセルフケアを実践する場になれるよう心がけた指導を目指しています。
仙台市太白区長町5-2-1 伊藤まるげんビル３F
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